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映画字幕翻訳の極意を学ぶ!戸田奈津子氏がオープンキャンパスで講演

 2024年8月24日(土)、高校生?受験生向けのオープンキャンパスが開催され、特別プログラムとして映画字幕翻訳家であり本学客員教授の戸田奈津子さんを講師に迎えました。イベントのテーマは「ハリウッド映画と字幕翻訳の極意!」。多くの参加者が集まり、映画字幕翻訳の世界に触れる貴重な機会となりました。

ハリウッドスターとのエピソードで幕開け

 これまでに、何と1,500本以上の洋画字幕を手掛けてきた戸田さん。本職は映画字幕翻訳家ですが、ハリウッドスターの通訳としても有名で、プログラムの前半では、戸田さんがこれまで関わってきた数々のスターの裏話が披露されました。トム?クルーズ、ジョニー?デップ、ブラッド?ピット、ハリソン?フォードといった世界的なスターたちとのエピソードに、参加者は目を輝かせ、映画の裏側に関する興味深い話に引き込まれました。(ここでは披露出来ない事が残念!)

 また、中学で初めて英語に触れ、留学に行ったこともなかった戸田さんが40代で初めて字幕翻訳家として認められるようになったエピソードも披露。「好きな事を、誰にも負けないレベルでやり続ける事の大切さ」「折角一度きりの人生なんだから、自分のやりたい事に素直に」というメッセージは多くの人の心に響いていました。

字幕翻訳のルールを学ぶ

 後半は、字幕翻訳の具体的なルールについての講義が行われました。「字幕は翻訳とは違うので、セリフの時間内に読める文字数に抑えなければならない。これが一番難しいところ」と、映像字幕ならではの苦労が。

 「1秒間に3~4文字」「字幕に句読点は不要」「漢字、送り仮名は常用漢字を使用」といった、字幕翻訳における基本のルールが解説され、参加者はメモを取りながら真剣に聞き入っていました。

「トップガン マーヴェリック」で実践チャレンジ

 講義の後、映画「トップガン マーヴェリック」からのシーンを用いて、参加者が実際に字幕翻訳に挑戦しました。どのシーンも中学校英語で出来る簡単な単語ばかりのセリフ。しかし、決められた文字数で日本語を充てるとなると、まぁ大変!それぞれが自分なりの訳を作成し、数名が自信を持って発表。戸田さんからは一人ひとりの翻訳に対するアドバイスが行われ、プロフェッショナルな視点からのフィードバックに、会場は大いに盛り上がりました。

質疑応答と集合写真で締めくくり

 最後に質疑応答の時間が設けられ、「仮に今の時代に生まれても、翻訳や通訳の仕事をしたいと思うか?」「この映画は大変だったなという作品は?」「これから先チャレンジしたい事があるか?」など、参加者から戸田さんへ次々と質問が投げかけられ、御年88歳(米寿)の戸田さんから、「皆さんまだまだお若いんだから、何でも出来るわよ。私はようやくゆっくりさせてもらってるけど、まだやりたい事がたくさん」と、エールを頂きました。

 イベントの締めくくりには、宮内孝久学長から戸田さんへ花束が贈呈され、全員で記念撮影が行われ、和やかな雰囲気の中で講演会が終了しました。