旅行が好きで海外に興味がある方は、このような疑問を持つこともありますよね。
実際に、ツアーコンダクターになれば日本からの海外旅行に添乗員として同行できます。
海外旅行を担当すれば、年間20回以上、海外旅行に行くことも不可能ではありません。
そのためにまずは、ツアーコンダクターの仕事内容を知り、スキルや資質を磨く必要があります。
そこで今回は、皆さんが目標に向かって準備ができるように総合旅行業務取扱管理者資格を持ち、タイなどの海外の旅行会社で就業経験がある神田外語学院 国際観光科の坂﨑先生のお話をもとにして、
- 海外旅行のツアーコンダクターの魅力
- 海外旅行のツアーコンダクターの仕事内容
- 海外旅行のツアーコンダクターになるために必要なこと
などを徹底的に解説していきます。
ぜひ、こちらの記事を読んで、海外旅行のツアーコンダクターについて理解を深めてください。
本記事は、海外旅行のツアーコンダクターについて解説しております。
国内旅行のツアーコンダクターになるために必要なことについて詳しくは、こちらをご覧ください。
ツアーコンダクターと現地ガイド、ランドオペレーターの違いとは
これらの仕事を混同しがちな方は多いです。ツアーコンダクターは日本からお客様をご案内し、あとの2つは原則、海外に駐在する形で、以下のような仕事をする人達を指します。
- 【添乗業務】ツアーコンダクター
- お客様が安心して旅行ができるようにツアーのスケジュールを管理します。
具体的には、行程の案内、現地スタッフと観光地での時間配分の打ち合わせ、宿泊や食事の手配確認や調整、急病や盗難が発生した際のトラブル対応などを行います。
- 【ガイド業務】現地ガイド(海外駐在が多い)
- 海外旅行先で、観光地の案内や現地の方との通訳を行います。行先によっては、日本語が話せないガイドが付き、英語で会話を行うこともあります。
- 【手配業務】ランドオペレーター(海外駐在が多い)
- 旅行会社の依頼を受け、旅行先のホテルやレストラン、ガイドやバス?鉄道などの手配?予約を専門に行います。現地の1日観光の企画?提案などを旅行会社に行うこともします。
本記事では、海外旅行のツアーコンダクターについて焦点を当てて解説しています。
目次
1. 海外旅行のツアーコンダクターとして働くって実際どうなの?
海外旅行のツアーコンダクターは、旅行が好きな人にとっては、非常に魅力的な仕事です。
しかし、どんなに魅力的な仕事にも、多少の注意点は存在します。
まず1章では、その魅力と注意点について詳しく解説していきます。
1-1.海外旅行のツアーコンダクターとして働く5つの魅力
海外旅行のツアーコンダクターとして働く魅力は、以下の5つになります。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
(1)無料で海外旅行ができ、仕事として給料がもらえる
海外旅行のツアーコンダクターの1番の魅力は、さまざまな国?地域に行けることです。
例えば、月に2本の海外添乗を行い、毎回違う国に行ったとすると1年で24ヵ国の国に行けます。
さまざまな国や地域の観光名所や年に1度のお祭りなども体験できます。また、団体旅行はバスを貸切るため、個人旅行では行けないような場所に行くことも可能です。
そして、働いた分のお給料がもらえることに加えて、旅行代金や食費なども会社が負担してくれることが多いため、ほとんどお金はかかりません。
(2)何度も同じ国?地域に行くことで、より詳しくなる
人気の国や地域の場合は、年に何度も同じ国や地域に行くことがあります。
自分のお金であれば、次は別の国に行ってみようと思いますが、仕事では選択肢はありません。
その分、回数を重ねることで現地に詳しくなり、自信を持ってお客さまをご案内することができるため、ツアーコンダクターとしての成長につながります。
(3)お客様や仕事仲間など一人ひとりとの関わりが深く、さまざまな人と出会える
海外旅行のツアーでは、1週間を超える期間のツアーが多いため、一人ひとりのお客様との関わり合いが深くなることも多いです。
ツアー終了後には、サポートしたお客様から感謝の言葉やメール、手紙をいただくことも少なくありません。
そのようなことが、仕事の励みになり、やりがいにつながります。
また、同じ国に行く場合、以前担当したガイドが再度アシスタントに付くこともあり、現地ガイドとも仲良くなることがあります。色々な国で友達ができ、交流の輪が広がることも魅力です。
(4)仕事を通して、語学力が磨かれる
海外旅行のツアーコンダクターになると、語学力が磨かれます。
もちろん、ある程度の語学力があることが前提ではありますが、語学力に自信がなくても、話さなければいけない場面が多々あります。その中でも特に英語力は必須です。
年に何ヵ国も訪れるので、外国語を使う機会が多く、自然と磨かれていきます。
また、お客様は日本人です。日本人のお客様が困ったときに頼りになるのは、旅に同行する添乗員の存在です。
元々語学力がある人でも海外に行って、うまく外国語が使えない場面に直面すると、帰ってから勉強するモチベーションアップに繋がり、語学力がさらに磨かれていきます。
(5)旅の知識が身に付き、自身のスキルも磨ける
(2)~(4)の活動を通して、旅の知識が身に付き、自身のスキルも磨くことができます。それらの知識?スキルとは、以下の4つです。
- 詳しい現地情報や観光資源の知識
- コミュニケーション能力
- 判断力と対応力
- 観察力
もちろん、ツアーコンダクターとして仕事をする前に身に付けておくべきですが、これらのスキルを磨く機会は少ないです。
仕事をする中で磨かれていくものも多く、経験を積んでいくにつれてどのような状況にも対応できるようになります。
1-2.海外旅行のツアーコンダクターとして働く4つの注意点
海外旅行のツアーコンダクターとして働く注意点もここで確認しておきましょう。
ツアーコンダクターの仕事の注意点を知っておくことで、
「こんなはずじゃなかった」
「想像と違う」
というようなミスマッチを防ぐことができます。
その注意点は以下の4点です。
が代表的なものとして挙げられます。
以下で詳しく解説していきます。
(1)毎月スケジュールが違い、生活が不規則になる
海外旅行のツアーコンダクターは、生活が不規則になります。
なぜなら、ツアーによって働く日数や休みの曜日が違うため、月によってスケジュールが異なるからです。日本との時差が大きい国に行く場合は、生活リズムも乱れがちです。
そのため、海外旅行のツアーコンダクターには、やる気はもちろん、体力も求められます。
1ヶ月のスケジュールについては、2章で詳しく解説していきます。
(2)旅行中にトラブルや問題が起きがち
旅行中に大なり小なりトラブルや問題が起きることも少なくありません。
例えば、
- お客様が病気になる
- お客様が紛失?盗難の被害に合う
- ホテルやバスなどの予約が取れていない
- 気難しいお客様や現地ガイドの担当になる
など、大変な思いをすることもあります。
そのような時でも、自分一人で問題を解決しなければなりません。
例えば、病院に行くにしても外国人を受け入れている病院を探さなければいけなかったり、警察に行くにしても日本と手続きの仕方が異なったりと慣れていないと戸惑ってしまうことばかりです。
しかし、本当に大変な時は、ランドオペレーターや大使館の方などが助けてくれることもあるため、必要以上に不安に思うことはありません。
(3)行きたい国が選べず、興味のない国にも行く(海外/国内旅行に飽きる)
仕事なので行きたい国が選べず、自身の興味ない国や何度も同じ国に行くこともあります。
いくら海外旅行が好きでも、何十回も訪れると海外旅行に飽きてしまうことがあるのは、ご想像いただけるかと思います。
そこで、自身の趣味を持つことも大切です。季節ごとの写真を撮る、前回とは違うレストランに挑戦してみるなど、楽しみを自ら見つけることも、添乗員として大切な資質です。
(4)拘束時間が長く休む時間が取れない(気が休まりにくい)
ツアー中は、働いている時間が長く休む時間が取れないことが多いです。
なぜなら、ホテルのチェックイン?アウトの手続きや観光の事前準備、お客様対応などの業務が多く、それらにいつでも対応しなければならないからです。
例えば、お客様が自由行動中に何かトラブルに見舞われた場合は、夜中でも対応しなければなりません。
常に行動できるように準備しておくため、気が休まりにくいのが現実です。
1-3.海外旅行と国内旅行のツアーコンダクターの3つの違い
海外旅行と国内旅行の添乗業務の違いは、以下の3つになります。
それぞれ詳しく解説していきます。
(1)外国語(英語)を使うこと
国内旅行との最大の違いは、英語を使うことです。そのため、TOEIC?600点レベル以上の英語力を身に付けておくことをオススメします。
なぜなら、空港やホテルの手続きなど、全て英語を使用しなければならないからです。
大都市のツアーであれば、基本的には、現地語と日本語を話せるガイドが通訳してくれることがほとんどですが、ツアー時間外での対応には、添乗員自らが英語を使って対応をしなければいけません。
日本語を話さないガイドが付く場合は、英語を通訳してお客様に伝えるといったこともあるため、ツアー前に事前に確認が必要です。
ツアーコンダクターに必要な英語力について、詳しくは4章で解説していきます。
(2)現地ガイドが付くこと
上記の通り、海外旅行では、現地語と日本語を話せるガイドが観光案内をすることが多いです。
国内であれば、ガイドが付く場合はほとんどなく、ツアーコンダクターがバス社内や観光地での案内をすることが多いですが、海外では現地ガイドが付くため、現地ガイドのサポートをするといった位置付けです。
そのため、国内旅行より海外旅行の方がツアー中の業務量が少ないといったこともよくあります。
(3)ツアーの下調べに時間がかかること
ツアーコンダクターが添乗業務を行う際には、ツアーの下調べを徹底的に行います。
なぜなら、どのような状況でもお客様からは、プロとして扱われるため、何を聞かれても答えられるように準備しておかなければいけない必要があるからです。
海外旅行は、そのツアーの下調べに非常に時間がかかります。
インターネットで何でも調べられるとはいえ、海外の観光地の情報は、日本の観光地に比べて情報が少ないです。英語の本やサイトも利用することになり、結果として下調べに時間がかかってしまいます。
ここまで海外旅行のツアーコンダクターの魅力と大変さ、国内旅行の添乗業務との違いについて解説してきました。
正直、旅行は好きだけど、毎月スケジュールが変わって、休みも不定期なのは、きついと感じてしまいますよね。
実際のところ、全てのツアーコンダクターがそのような働き方をしている訳ではありません。働き方によっては、月1回の海外添乗のみで、他の日は事務仕事をすることもできます。
次章では、就職した後の働き方について、より具体的にイメージできるように3つの働き方について解説していきます。
2. 海外旅行のツアーコンダクターとして企業で働く3つの働き方
海外旅行のツアーコンダクターとして働く場合、主に3つのケースに分かれます。
それぞれ詳しく解説していきます。
2-1.添乗派遣会社で添乗業務のみを行うケース
最近の旅行業界は分業化が進んでおり、添乗業務のみを行うには、添乗業務に特化した派遣会社に入社(登録)する必要があります。
早速ですが、専任添乗員の1ヶ月のスケジュールをご覧ください。
【ツアーコンダクター 1ヵ月のスケジュール】
海外添乗を行うツアーコンダクターは、同時に国内添乗を行うことが多いです。
1ヵ月の中で日本?海外を飛び回り、休日は不定期、ひと月の半分以上はホテルに宿泊するような働き方になります。
忙しくやる気と体力が求められますが、旅行好きにとっては非常に充実した日々を過ごすことができます。
2-2.旅行会社で事務?手配業務に加えて添乗業務も行うケース
旅行会社に就職するケースは、事務、営業、企画、予約、手配、添乗などを一貫して自社で業務を行っている場合が多く、旅行に関わるさまざまな仕事を経験できます。
添乗業務は、基本的には月1 – 2回程度で国内外に行くことが多いです。
会社によっては、「添乗+事務」など専任添乗員に近い働き方をする場合もあります。
添乗業務がない月や週は、基本的に土日休みとなりますので、専任添乗員は忙しいから諦めようと思っている方にオススメです。
2-3.大手旅行会社で営業職として添乗業務も行うケース
前述した通り、ほとんどの大手旅行会社は、分業化しており、添乗業務は外部の会社に委託しています。
しかし、営業職の場合、企画から提案まで一貫して営業が担当し、企業の研修旅行や学校の修学旅行等などに添乗員として同行できます。
最近では、修学旅行などで海外に行く学校も多く、添乗回数も増えています。
ただし、営業の場合は、シーズン以外は添乗業務がなく、上記の2つの働き方に比べると添乗回数が少なくなってしまうというようなデメリットもあります。
ツアーコンダクターとしての働き方について詳しくはこちらをご覧ください。 |
ツアーコンダクターとして、海外添乗業務を行うには、3つの働き方があることをお分かりいただけたかと思います。
では、そのツアーコンダクターは、実際にどのような仕事をしているでしょうか。
次章では、より具体的にイメージできるように仕事内容と1日のスケジュールについて解説していきます。
3. 海外旅行のツアーコンダクターの仕事内容とは
3-1.仕事内容は、大きく分けて3つのステップ
ツアーコンダクターの仕事内容は、大きく3つのステップに分かれています。
【ツアーコンダクターの仕事の流れ】
それぞれ詳しく解説していきます。
STEP1.出国前の事前準備
出国前に行う仕事は、以下の3点です。
(1)旅行先の下調べ
(2)旅行会社との打ち合わせ
(3)参加者への確認の電話
(1)旅行先の下調べ
添乗するツアーが決まったら、パンフレットなどでツアーの内容を把握します。
ツアーの内容に沿って実際にどんな観光地を巡って、どんな説明をするか、どんな質問を受けるのかを想定しながら、行いましょう。
海外添乗は、言葉や生活習慣が異なるため、お客様にいつでも情報提供ができるように文化や宗教などさまざまな現地事情について詳しく調べることが必要です。
(2)旅行会社との打ち合わせ
打ち合わせでは、最終的な日程表、ホテル、航空券、お金などを確認します。
添乗業務は、旅行会社が企画したツアーに合わせて行うため、旅行会社との打ち合わせは必須です。
分からないことがあれば、お客様に説明できるように必ず担当者に確認しましょう。
そのままにすると、実際に現地に行った後に手配漏れに気付いて、手配が間に合わずお客様に迷惑をかけるということもあるため、徹底的に行いましょう。
(3)参加者への確認の電話
最後に参加するお客様にツアーについて最終出発案内の確認の電話をします。
確認の電話は、お客様の間違いの防止とツアー前の不安を取り除くために行います。
お客様からは天候や通貨、食事、現地事情などを聞かれることが多いため、事前に下調べした内容からアドバイスを行いましょう。
STEP2.ツアー中の旅程管理
ツアー当日から解散までに行う主な仕事は以下の7点です。
(1)出国時のチェックインから飛行機に搭乗するまでの案内?手続き
(2)到着後の案内?現地ガイドとの合流とホテル or 観光地までの移動の案内
(3)ホテルの案内?宿泊手続き
(4)観光や移動の案内?手続き(バス、列車、船など)
(5)食事の案内?精算
(6)帰国時のチェックインから飛行機に搭乗するまでの案内?手続き
(7)ツアー終了の電話連絡
お客様より先に事前準備を済ませ、滞りなく旅行が進むようにご案内や手続きなどのサポートを行います。
基本的には、事前の旅行会社やランドオペレーターの手配が万全であれば、まず問題はないでしょう。
※【手配業務】ランドオペレーター |
ただし、特に気を付けなければいけないことは、
- 現地ガイドや観光地、ホテルでのコミュニケーション
- 盗難、病気、急な予定の変更などのトラブル対応
については、日本と言語や対応の仕方などが大きく違い、外国ならではの難しさを感じます。
お客様にとって頼れるのは、ツアーコンダクターだけなのでトラブルが起こった際の対応は、自身で判断する必要があります。
STEP3.帰国後の報告と精算
帰国後に行う仕事は、以下の2点です。
(1)ツアー中の代金の精算
(2)旅行会社への報告
ツアー終了とともに添乗業務も終了すると思われがちですが、この精算?報告を終えてはじめてツアーが終了したといえます。
(1)ツアー中の代金の精算
旅行会社に出向き、ツアー中に発生したお金の精算を行います。
添乗中の現金の出し入れは必ずメモしておき、支払いの際のレシートや領収書は、全て精算の際に処理します。
(2)旅行会社への報告
旅行会社への報告は、旅行会社が次のプランを企画する上で重要です。
ツアー行程に無理はないか、利用したホテル?レストランの満足度、現地手配会社やガイドの対応などを報告します。
また、生の現地情報がタイムリーにわかる添乗報告書やお客様からのアンケートの提出もこの場で行います。
※2章で紹介した、専任添乗員ではない働き方も基本的には同じですが、自身が旅行の企画から手配までを行うことも多いため、「旅行会社との打ち合わせ」「旅行会社への報告」は行わないこともあります。
3-2.海外滞在中の1日のスケジュール
海外添乗中は、基本的には事前に決められたスケジュール通りにお客様をサポートしていきます。
以下に日本からフランスへのツアーの初日から3日目までのスケジュールを例として紹介します。
【フランス8日間の旅 スケジュール例】
観光の場合は、お客様の集合時間より先に準備を行い、バスの配車の確認やガイドと打合せなどを行います。観光中は、基本的に現地ガイドが案内をしてくれるので、そのサポートや時間の管理をします。
自由行動の場合は、お客様が有意義に過ごせるようにアドバイスを行ったり、今後の日程の確認を行ったり、現地情報を収集したりとツアーコンダクターにとっては自由行動ではありません。
このように、海外旅行中も忙しく動き回っています。
専任添乗員の場合は、ひと月のスケジュールも半分以上が添乗業務を行っているため、非常に忙しいのが現実です。
そこで皆さんが疑問に思われるのは、
「こんなに忙しいスケジュールで給料はどうなの?」
「体力的に厳しくなったあとのキャリアは?」
などのことかと思います。
4章ではそんなツアーコンダクターの給料、キャリア事情について、解説していきます。
4. 海外旅行のツアーコンダクターの給料は?キャリアは?
海外旅行のツアーコンダクターについての皆さんが気になる
- 給料事情
- キャリア事情
について皆さんの不安を解消し、覚悟を持ってツアーコンダクターを目指すことができるように解説していきます。
4-1.給料事情
ツアーコンダクターの働き方別に月の給料をまとめてみました。
以下の図をご覧ください。
【3つの働き方別 月収例】
働き方によって多少は上下しますが、月収19万円くらいが相場になります。
添乗業務を行う専任添乗員の場合は、多くのケースで派遣社員の扱いとなります。
そのため、基本的に給料は「時給」や「日当」という形で得ることになります。
1日にもらえる総額は、所属会社や経験、スキル、年齢によって異なります。
当然、添乗を重ねていくにつれて給料のベースアップが見込めますが、月によって添乗日数が異なることも多く、安定した収入が得られるとは限りません。
添乗派遣会社の中には、契約社員として雇い、月の最低月給は保証しているような会社もあります。このような会社は、キャリアアップにつれて派遣社員から正社員へと登用されるケースも少なくありません。
以上のことから、専任添乗員として働き、安定した給料を求める場合は、契約社員として雇ってくれる会社を選択することをオススメします。
4-2.キャリア事情
ツアーコンダクターとしてキャリアを積んでいくことも、経験を活かして旅行会社に転職することも可能です。
旅行業界で働くことは、旅行の経験と知識が武器になります。多くのツアーを経験し、さまざまな国や地域を訪れ、知識を蓄えていけば、営業やプランニングなどの際にかなりの強みになります。
そのため、若い体力のある内にツアーコンダクターとして、国内外さまざまな場所を経験して、その経験を活かして旅行会社などに転職しツアーの企画に携わるといった方も多くいます。
今後のライフスタイルの変化に合わせて、自身のキャリアを選択できるようになるため、海外旅行のツアーコンダクターとしての経験を重ねることは、大きな財産になるでしょう。
ここまでの内容で、ツアーコンダクターの魅力や仕事内容について理解できたかと思います。では、実際にツアーコンダクターになるにはどのような進路選択をしてどのような資格が必要なのでしょうか?
5章では、海外旅行のツアーコンダクターのなり方について解説していきます。
5. 海外旅行のツアーコンダクターになるための進路と必要な資格?スキルとは
海外旅行のツアーコンダクターを目指すにあたって考えなければならないポイントは以下の4つです。
(1)どのような進路選択をするか
(2)どのような資格を取得するか
(3)英語力はどのくらい必要か
(4)どのような働き方を選択するか ※2章で解説した通りです。
それぞれ詳しく解説していきます。
5-1.ツアーコンダクターになるためには、専門学校への進学がオススメ
いち早くツアーコンダクターになりたい場合は、専門学校に進学することをオススメします。
なぜなら、ツアーコンダクターとして働くために必要な「旅程管理主任者資格」や観光、旅行に関する知識を2年間という最短の時間で身に付け、ツアーコンダクターになることができるからです。
専門学校であれば就職にも強く、自分に合った会社にエントリーできる選択肢も得ることができます。
ツアーコンダクターになるために必要な進路選択について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。 |
5-2.海外旅行の添乗業務を行うには、総合旅程管理主任者資格が必要
ツアーコンダクターとして働くには、「旅程管理主任者資格」が必要です。
「旅程管理主任者資格」とは、旅行会社が企画する「ツアーや団体旅行」に同行するツアーコンダクターが必ず持っていないといけない資格です。
この資格には以下の2種類があります。
(1)国内旅行のみに添乗できる「国内旅程管理主任者資格」
(2)国内旅行に加えて海外旅行の添乗もできる「総合旅程管理主任者資格」
海外旅行の添乗を行うには、(2)の資格が必要になります。
この資格は、基本的には会社に入社した後に取得できますが、専門学校や大学在学時にも添乗派遣会社や研修機関で取得することができます。
※多くの専門学校では「国内旅程管理主任者」のみの取得を行っています。
「旅程管理主任者資格」について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
5-3.最低限求められる英語力は、TOEIC?600点程度
海外ツアーの場合は、TOEIC?600点程度の「英語力」が必要です。
なぜなら、前述の通り、日本語をあまり話すことができない現地ガイドが付く場合も少なからずあり、添乗員が英語で通訳してお客様に伝えることもあるからです。
例えば、株式会社TEI 2020年度海外添乗専門契約社員 募集要項には、
■資格:TOEIC?600点以上の能力を持っている方
※引用:株式会社TEI 海外添乗専門契約社員 募集要項
といったように英語力が応募条件として定めされています。
ガイドがいない夜の時間帯などにお客様の体調が悪くなり病院に連れていく場合もやり取りをするのはすべて添乗員となり、お客様と病院との間に立ってやり取りを行う必要があります。
また、空港でも入国手続きをする際に搭乗手続き時間?場所などの変更があった場合は、アナウンスを聞いてお客様を正しい場所に誘導しなければなりません。
このようにさまざまな場面で英語力が必要となるので、海外ツアーの場合は「英語力」が欠かせません。
ツアーコンダクターになるためにまず、第一に行うのが進路選択です。
専門学校に進学する場合、具体的にどの学校を選べば良いのでしょうか?自分に合った学校を探すのも大変ですよね。
そこで次章では、海外のツアーコンダクターになるためにオススメしたい専門学校を紹介します。
6. 海外旅行のツアーコンダクターを目指すなら神田外語学院 国際観光科がオススメ
ツアーコンダクターを目指すなら神田外語学院 国際観光科に通うことをオススメします。
オススメした理由としては、以下の3つがあります。
(1)ツアーコンダクターに必要な「国内旅程管理主任者」が取れる
(2)観光業界に関する専門知識を習得できる
(3)海外旅行のツアーコンダクターに必須の英語力を伸ばすことができる
実際に学校で学べる授業内容を紹介しながら、解説していきます。
6-1.ツアーコンダクターに必要な「国内旅程管理主任者」が取れる
国内旅程管理主任者資格が取れる「ツアーコンダクター実務」
ツアーコンダクターとして必要な知識、添乗業務の流れ、ホスピタリティを学びます。業務に即した実践的な知識、教養を習得します。株式会社TEI様と提携を結んでいるため、授業の中で実際にバス添乗員研修をおこない、「国内旅程管理主任者資格」を取得することができます。
資格取得後は、在学中に株式会社TEI様に添乗員として登録し、実際にお客様相手に有償で添乗できることも良い点です。
▲ 朝の受付、施設の予約確認を行っている様子【神田外語学院?バス研修】
6-2.観光業界に関する専門知識を習得できる
観光業界で働くための基礎知識が身に付く「国内?海外観光資源」
日本だけではなく世界の地理、世界遺産、地域の行事、絵画?音楽などの芸術、伝統料理など観光資源に関して幅広く学びます。また。それぞれの背景にある歴史や風土についても知識を深め、旅行業界で活躍できる基礎学力と専門性を高めます。
6-3.海外旅行のツアーコンダクターに必須の英語力を伸ばすことができる
実践的な英語を学べる「観光英語」
旅行業界、航空業界、ホテル?レストラン業界で用いられる英語表現を学習します。観光英語検定合格も目標の一つです。
ツアーコンダクターとしての英語も学ぶので、「総合旅程管理主任者資格」の英語試験対策にも役立ちます。
実際に、先生やクラスメイトに対して、神田外語学院周辺の観光スポットを英語で案内する実習も行います。
生きた英語を自分のものにできる「EIC」(国際コミュニケーション英語)
必修共通科目の国際コミュニケーション英語(EIC)は全て外国人教員が担当し、「読む」「聞く」「書く」「話す」の英語4技能の強化を図ります。授業は20名以下の少人数?習熟度別クラスで、日本語禁止という環境で行われています。外国人の英語に慣れることで就職してすぐに外国のお客様から英語で話しかけられても落ち着いて接客ができます。
神田外語学院 国際観光科の資格取得率
- 国内旅程管理主任者
- 授業の一環で資格取得を行っているので、取得率はほぼ100%です。
- 国内旅行業務取扱管理者(国家資格)
- 「旅行業法」「旅行業約款」「国内旅行実務」「国内観光資源」などの授業を通して試験対策を行っています。
2019年4月に国際観光科に入学した学生は、2019年9月1日に行われた「国内旅行業務取扱管理者」試験において、57名中、23名が合格しました。夏休み期間を含み、わずか5ヶ月で合格率40.3%と一般社団法人全国旅行業協会が公表している2018年9月の全国合格率が38.3%を上回る合格率となりました。
また、不合格の34名中、11名が実務合格※となりました。
※実務合格とは、来年の試験で「国内旅行実務」の1科目が免除になります。
引用:一般社団法人全国旅行業協会 各年度の実施状況、試験問題と解答、合格者受験番号
◆国際観光科 卒業生インタビューはこちら
【びゅうトラベルサービス】卒業生インタビュー(動画)
◆国際観光科のニュースはこちら
国際観光科1年生、はとバスツアー研修に参加
\神田外語学院の“リアル”を体験!/
\2分で簡単!/
?神田外語学院の教育の特長について以下の記事もご覧ください!
7. まとめ
最後に本記事で解説した内容をまとめるとポイントは以下の5つです。
(1)海外旅行のツアーコンダクターとして働く5つの魅力
-
- 仕事として給料をもらいながら海外に行ける
- 何度も同じ国?地域に行くことで、より詳しくなる
- お客様や仕事仲間など一人ひとりとの関わりが深く、さまざまな人と出会える
- 仕事を通して、語学力が磨かれる
- 旅の知識が身に付き、自身のスキルも磨ける
(2)海外旅行のツアーコンダクターとして働く4つの注意点
-
- 毎月スケジュールが違い、生活が不規則になる
- 旅行中にトラブルや問題が起きがち
- 行きたい国が選べず、興味のない国にも行く(海外/国内旅行に飽きる)
- 拘束時間が長く休む時間が取れない(気が休まりにくい)
(3)給料は働き方によって多少の違いがある。専任添乗員の場合は、「時給」や「日当」で収入は不安定だが、さまざまな国や地域を経験することができ、今後のキャリアアップに向けて、大きな財産となる
(4)ツアーコンダクターを目指すなら神田外語学院 国際観光科がオススメ
海外旅行のツアーコンダクターは、大変な面もありますが、魅力的な仕事であることは間違いありません。
観光に関する幅広い知識を身につけ、着実に英語力も磨いていけば、ツアーコンダクターとして活躍することは十分に可能です。
皆さんが素敵なツアーコンダクターになれることを心より願っています。