日本企業が韓国で特許権を
取得するために、翻訳で貢献する。
知野 里江子 RIEKO CHINO
日本
半導体エネルギー研究所/知的財産部
新潟県立三条高等学校
韓国語学科(現アジア言語学科 韓国語専攻) 2015年卒業
日本の企業が外国で特許を取得する際には、その当事国で出願を行う必要があります。私は発明の翻訳という業務を通して、韓国に進出し、特許権を取得したいと考える企業のサポートを担っています。
私が勤めている半導体エネルギー研究所には技術者だけでなく、知的財産のプロフェッショナルの方も多く、英語、中国語、台湾語、ドイツ語など、多様な言語の翻訳者と連携をとる環境も整っていて、とても刺激を受ける毎日です。新しい発明に関われることにも、やりがいを感じています。実際の翻訳では初めて見る技術用語も多数あり、日々の勉強は必須です。当然、特許そのものの知識も身につけなければなりません。いつか、安心して任せていただけるプロフェッショナルになる。それを目標に、目の前の課題一つひとつに取り組んでいるところです。
子どもの頃、韓国ドラマの『冬のソナタ』が社会的な現象になるほど流行して、韓国に興味をもちました。そして、ドラマを見ていて俳優さんの話すことを理解したいと思うようになったのです。韓国語を学びたいと意識したのは、その頃からでした。大学では1年間韓国での留学も経験し、韓国語の習得には大いに役立ちました。同時に、ほかの国の文化の中で生活することで、日本との違いを発見するなど、数多くの貴重な経験も重ねることができました。理解し合える友人が数多くできたのも、私の一生の財産です。大学ではスポーツ通訳ボランティアなど、海外の人々と接点をもてるさまざまな機会が設けられていて、語学やコミュニケーション能力などを養うことができたと考えています。それらの経験が、今の翻訳の仕事にも活きていると同時に、これから先のキャリアにも力になってくれると信じています。