国際ビジネスキャリア科は自身の今後のキャリアを見据え、語学力と多角的思考力をもとに、いかなるビジネスフィールドでも戦える知識と能力を養成する学科です。自分の将来を考えるためにはビジネス知識のみならず、まずは自分を知ることが必要不可欠です。「私は」「あなたは」一体どのような人間なのか。2年次の「ビジネスリサーチ」の授業では2人1組となって、お互いにインタビューをし、相手の「これまで」「これから」について記事としてまとめ、その内容をポスター発表します。
ペアとなるパートナーはくじ引きで決めます。そのため今までよく知らないクラスメイト、自分とはタイプが違うクラスメイトとペアになることも。インタビューを始めた当初はお互いに探り探りの状態でした。そこからインタビューをすること数時間、お互いにこれまでの人生や趣味に関すること、普段考えていることなどを語り合います。普段仲の良い友人ともなかなか話さないような事柄、過去に辛かった出来事や将来の夢なども語り合うようになります。
「私なんか薄っぺらい人間だよ」
そう言い切ってしまうクラスメイト、でも丁寧に話を引きだすうちに当人が「当たり前」だと思っていて気づかなかった良さがたくさん見つかります。
インタビューが終わったら今度はその内容を記事としてまとめポスターにします。聞いた内容のメモは膨大ですが、これを1枚のポスターにまとめなければなりません。自分の意見を交えつつ、クラスメイトのこれまでのキャリアを自分なりに再構成して、表現するのですから責任は重大です。
自分とは違う他者を真剣に見つめることで、自分とは違ったキャリアをたどっていることに新鮮な驚きを感じます。また、他者から見た自分を知ることで自分自身のことにも新たな気づきが生まれます。
完成した全員分のポスターが教室内に貼りだされ、文章力やデザインはもとより、どの作品もしっかりとインタビューし、考え、作りこんだことがよく分かる作品でした。
そして授業の後半では、ペアそれぞれがパートナーについてポスターに書き切れなかったことを含め発表します。自分でも気づいていたこと、パートナーによって気付かされたことが紹介されていきます。聞いているクラスメイトも新鮮な驚きを共有していきます。
ペアの発表ごとに、国際ビジネスキャリア科コーディネーターの池田政隆先生からコメントが送られます。ねぎらいの言葉とともに、別の視点から見たコメントなどが送られると、お互いに気づけなかったクラスメイトの素晴らしい部分にさらに気づかされた様子でした。
今回の授業を通して、「自分」と「クラスメイト」の内面を知る機会を得ました。これまでのキャリアを知り、それを再構成していくのに必死に取り組んだ今回の経験は、自身の今後のキャリアを考えていくうえでとても貴重な財産となったはずです。半年後には国際ビジネスキャリア科を卒業する彼らの進路は多様です。ですがどの分野に進んでも今回の経験を活かして活躍してくれることでしょう。