神田外語キャリアカレッジに入った当初はアシスタントとしてスタート、その後、研修担当者として気づけばあっという間に10年以上が経ってしまった。このあいだに官公庁案件を初め企業様向けに目的別、階層別、言語別、非言語案件など数多くの研修を担当してきた。
これまでを振り返りまず思い浮かぶのは、研修担当として2年経ったころ、それまで経験したことの無い大きな英語研修の話を頂いたことだ。受講者数も圧倒的な多さで、施設も複数に分かれて実施、スタッフ一丸となって準備に取り組んだことが今では懐かしく思い出される。
当初頂いた問い合わせは「社員のTOEICスコアアップ」であったが、当校は「基礎力の構築~業務に即した実践力強化を目指す」プログラムで提案した。その結果、唯一「TOEIC対策」に“特化しない”提案をしたことが評価され、採用された。また、研修中、教務スタッフと打ち合わせを重ねて進めたことは思い出深く、英語習得の必要性について担当としての手ごたえを感じたことは今でも覚えている。
研修全般、まだ対面が主流だった頃を振り返り思うのは、集中型の海外赴任前研修、幹部候補生研修など連日の通学型グループ研修においては研修前後で直接受講生の方々とお話をする機会が日常的に可能であったことだ。業務について、レッスンについて、時に世間話など何気ない会話から研修のヒントを頂いたり、研修後のフィードバックは時に厳しく、ストレートだったが日々お会いしている方々からのお声はとても励みになり次期へ活かす担当としてのやりがいにつながった。
ある企業様における研修では受講生がそれぞれ業務で取り組むプロジェクトをテーマにプレゼンテーションを実施、発表の日、訪問したところ、サプライズで先方社長が入室され、一瞬驚きと緊張が走ったが、皆さん、非常に堂々と落ち着いており、専門性の高い発表内容に感動した。普段派遣先で授業を見ることは無いだけにこの日は発表するお一人お一人の仕事の一面を垣間見たようでとても貴重な時間となった。このクラスは普段から受講生自ら授業の題材を持ち込んだり、ディスカッションテーマを持ち回りで決めているという。講師が授業をファシリテートする中、授業は「受ける」だけでなく、ある意味「活用頂く」場という視点に気づかされたクラスであった。発表後、社長からの「日本語のプレゼンより、英語の方がうまく話せていた。」に笑いが上がった。
これらの研修が懐かしく思い出されるが、今では対面研修と併せ、ほとんどがオンライン主流となり、レッスンも「どこから」でも受講可能となった。学習アプリの普及で「いつでも、どこでも」が日常、AI技術が益々進む中、デジタル化の利点とあわせ、そこに人の「経験」「気づき」「声」を添えながら、成果に結びつく研修をお薦めしていきたい。